強みを活かしてビジネスモデルを変革する

「新興勢力事務所にどう対抗するか」の回でもお伝えしたように、会計業界は税務顧問サービスがデフレ状態になってしまっています。

本来、税理士という専門家による知識見識を生かした高付加価値型のサービスであるはずですが、残念ながら「作業」「事務処理」であるという受け取り方をされる場合が出てきました。

これは以前に触れたローコスト型事務所の台頭や、経営者の意識の変化(得られるベネフィットが同じであれば、安い方へ)によって拍車がかかっていると言えるでしょう。

結果として、顧問料は低下しているにもかかわらず、法定福利費を含む人件費負担は重くなってきます。当然、人件費1万円当たりの生産性は下がり、事務所の収益性も低下するという環境となっています。

しかし、前述のように本来会計事務所は専門知識を有する高付加価値型のサービスが提供可能なわけですから、会計事務所の強みを活かしてサービスモデルを変革する道が必ずあります。

例えば、会計・税務・マネジメントサポート・FPといった(そもそも持っている)強みを組み合わせて、経営者をサポートすれば必ず存在価値が高まります。

積極的に提供・提案するサービスを税務処理、簿記という範囲に限定しすぎではないか?と思うのです。

制度会計から経営に役立つ管理会計の運用をサポートする経営支援の提案、会社の状況や経営者個人の状況を深く理解した上での適切なFPの提案など、企業、経営者と深く付き合う会計事務所だから出来るサービスではないでしょうか。

それらが、経営者の夢や目標の達成や、安心感に繋がる方向でサポートされれば、無理に月額10万円・20万円のコンサルを目指さなくても、1社年間100万円程度の報酬を頂けるはずです。

実際に、弊社の顧客事務所様では、そのような取り組みで成果を出されている所が出現してきています。

ポイントは「新規で税務顧問と言われればそれだけ、顧問先は税務顧問契約の先だからそこにだけ関心を持てば良い」ではなく、この企業に必要なサポートは何か?という観点から経営者との面談を行う事でしょう。

そのために、何を聞かなければならないのか?をまとめたヒアリングシートと事務所が提供可能なサービス一覧を作成し、先生はもとより職員の皆さんと共有することからスタートして見られてはいかがでしょうか。